●○排泄処分場○●

●○排泄処分場○●

停止世界


何も生まれず 何も持たずに
白紙にしみが増えてゆくような

何も知らず 何もいわずに
何かが壊れてゆくような

何も聞かず 何も見ぬまま
何かが消えてゆくような

何かが足りないようでいて
何かがきっと多すぎて





↓・up・↓03.10.03

人形遊び


あたしの可愛い着せ替え人形
ココロも中身も死んでしまった

あたしの可愛い着せ替え人形
色も顔もなくしてしまった

あたしの可愛い着せ替え人形
継ぎはぎだらけのその身体
赤く染まったワンピース
大きなリボンで飾り付け
真珠の鎖で縛ってあげる

あたしの可愛い操り人形
言葉も意志もなくしてしまった

あたしの可愛い操り人形
糸で縛って籠に閉じ込め
思う存分愛してあげる





未完成


ココロを地下室に閉じ込めたまま
オモイを籠にしまったまま

あたしのカラダは抜け殻のよう

自由に手錠をかけたまま
欲望に鍵をかけたまま

鉄の扉が錆びてゆく

現実に瞼を閉じたまま
本能に蓋をしたまま

背中の螺子が錆びてゆく

白紙を線でうめないまま
ぬり絵に色をつけないまま

頭の電池が切れてゆく

止めないで 消さないで
行かないで 逃げないで

あたしのカラダ迄消さないで・・・





人工塗料


人工的な色彩は何度見ても染み込まず
自然な色彩には打ち勝てないの

掴めない水のような形がないあたしもまた
いつまでも同じでいられる筈も無く
水槽や容器をかえながら色んな形を作ってゆくの
いまだにどの色にも染まりきれないまま
あたしは形を変えてゆくの

針の狂ったはかりを片手にゆがんだ繋がり築きながら・・・





脳味噌と少女


固まった頭をかき混ぜて
失ったモノをさがしてる
子供の頃ココロの中にいた少女は
固まりによって潰された

出口から溢れ出す  夢
入り口から入ってくる  現実

寂しいコトを呟いた
口はもう閉じてしまった
口一杯に溢れるモノは
空気にして吐き出せばいい

かくれんぼもそろそろ飽きたよ
降参のない遊びよ
君は何処にいるの?





異色花


此処は白い花畑
調和のとれない赤い花
乾いた土に埋めてしまえよ
そのまま土に溶け込めたのなら
なんて幸せなコトでしょう

花でなくなったモノに
誰が価値を見い出しましょう?
今日も白い花の肥料となって
そろそろカタチも無くなる頃
土の上では白い花が
とてもきれいに咲いていて

人々の血に染まった花畑
一輪残った白い花
調和のとれない白い花
乾いた土に埋めてしまえよ

只今モノサシは裏返ったの・・・





蜃気楼


夜の砂漠 カラカラのココロ
オアシスももう見えない
いっそ幻覚でもかまわないの
信じ込める甘い水を下さい
ココロが全て乾き切るその前に
乾いたカラダに流し込む

夢からさめて何もなくて
信じるすべももう知らない
何もないこの空間を
無意味なコトバでうめてみても
なにひとつ誤魔化しきれずに
無臭の風が
不安なココロを誘い出す

夜の砂漠 カラカラのココロ
手のひらに白紙の紙切れひとつ・・・





廃虚的おもちゃ箱


ガラクタだらけのおもちゃ箱には
汚い汚物がちらかっていて
あたしは上手にかたずけられずに
壊して潰してけちらかす

心臓の止まったミニカー
感情を落としたビスクドヲル
ネヂのとれた兵隊さん
鳴り止まないオルゴール
錆び付きかかった小さな鏡
カギの掛かったお城の扉

光りを落としたあたしの手には
重たすぎるおもちゃ箱

空想世界のおもちゃ箱には
きれいな嘘が散らばっていて
あたしは悪夢に誘われて
描いて壊してくりかえす

動き出したミニカー
微笑み浮かべるビスクドヲル
行進始めた兵隊さん
きれいな音色のオルゴール
光を映す小さな鏡
大きく開いたお城の扉

汚れてしまったあたしの手には
きれいすぎるおもちゃ箱

オモイデ詰まったおもちゃ箱
壊して潰してけちらかす

カギの掛かったおもちゃ箱
古くなったおもちゃ箱
今はもう開かない

そろそろさよならしなくちゃ・・・

大好きだったおもちゃ箱
壊して潰してけちらかす

真っ赤に染まったカーテンから
幼い少女がこちらを見てる

今日でさよならおもちゃ箱
壊して潰してけちらかす





無音世界


くだらないコトバを塗りつぶして
いらない声を殺しました

どうでも良い文字を洗い流し
大切なモノを待ちました

汚い線を塗り消して
うるさい色をなくしました

何も無くなりました
何も生まれませんでした
何も言えなくなりました
何処にも居れなくなりました





半透明


妄想の中で息してる
空想の中で笑ってる
あなたのやさしいその声も
あたしの寂しきこのオモイも
全て幻 嘘の中

この目にうつる小さな光
幻の世界
嘘の中で踊っていたい
真実は嘘の裏の顔
もはや裏も表も分かりません

この目にうつる小さな傷跡
妄想の世界
夢の中で歌っていたい
正しさは常にカタチを変えてく
すでに嘘も本当も分かりません

此処にある感覚と
あたしの中の感情が
唯一残る確かなモノ





反射光


あたしの望みは重すぎて
あなたをきっと潰してしまう

あたしの頭は堅すぎて
あなたの色を殺してしまう

あなたに映るあたしのカタチ
あたしに映るあなたのカタチ

それがあたしを締め付ける

作った箱は狭すぎて
息が詰まってしまいそう・・・





抜け殻


まるでそれは抜け殻の様
痛みも怒りも喜びも
いまにも消えてしまいそうな

このオモイとこのカラダさえ
すぐにでも壊れてしまいそうな

できそこないの無能オモチャ
このまま溶けてしまいそう

じめじめした雨の日に
無色無臭のひとつの個体が
赤い涙流したの
涙が浄化する時に

オモイはきっと消えゆくの・・・

ココロはきっと壊れるの・・・





黒糖応援歌


あなたは安全な所に身を隠し
あたしにひとつなわをくれるの
あたしはそれにしがみつき
あなたのもとまで這い上がる

あなたを暗い闇が襲えば
あなたはなわをはなしてしまう
あたしを黒い不安がよぎれば
あなたをここまで落としてしまう

あたしは安全な防具で身をまとい
素足のあなたに黒いエールをおくるの
あなたは声に背中を押され
敵のもとまでひとりで向かう

あなたが素顔で微笑みかけると
相手の仮面がはがれてゆくの
あたしが武器で守りに入ると
相手もあたしに銃をむけるの





円周生命体


混ざり合う水槽の中
あたしはひとりこぼれ落ちる

そのまま水は浄化されて
青い空の涙になります

調和を乱す黒い花
あたしはひとり枯れて逝く

花びらひらひら散って土の中
消えてゆきますカタチも影も

こぼれ落ちた水が浄化されて雨を流せば
散った花びら種になりもう一度花を咲かすだろう

ずっとずっと終わらない
ずっとずっと続いてく
残酷に続いてく円周生命体





ミクロ世界


5ミリの粒を素肌に感じて
生まれる幸せがいい

些細な砂を袋につめて
いらない空気をお空に飛ばして
排出されるエネルギーの中
どうかきれいな色を見失いませぬように

ミクロの世界を素肌に感じて
生まれる違和感が欲しい

些細な毒をお外に出して
美味しい空気を吸い込んで
蓄積されるビーカーの中
どうか些細な毒に支配されませぬように